Viva la Vida

疲れていると書いていると、いろんな友だちから労ってもらった。

ありがとう。

遠く離れていても、私を気にかけてくれている人たちがいること

私はいつも感じて生きている。

 

今読んでくださっているあなたのことも。

こんな長くて娯楽にもならない言葉をわざわざ追ってくれるということは

何かしらの価値を見出してくださっているからでしょう?

そうやって誰かが読んでくれるから、私は書くことができる。

だから、何も言わなくても、読んでくださるだけでありがたいのです。

 

 

昨晩、ある利用者さんと私とが入れ替わってしまったら嫌だなと思ったと書いた。

雨の切れ間に職場へ向かって歩きながら、

私は誰となら入れ替わってもいいと思えるのかなと考えていた。

大好きな友だちや、大好きな家族や、尊敬する方たちを思い浮かべた。

あるいは出会ったことのない才能あふれるアーティストたちを。

でも、私は誰とも入れ替わりたいとは思えなかった。

本当におかしなことに。

私の望むものを手に入れている人たちを思っても、どんな幸せそうな人たちを思っても、どんな幸運な人たちを思っても、私は他の人の人生を生きたいとは思えない。

私は、この今の私の人生にあまりに納得しているのだった。

 

たったふたりだけ、入れ替わってみてもいいなと思えたのは、私の長男と次男だった。

どんなことを考えてどんなことを感じて生きているのか、彼らはどんな未来を拓いていくのか、とても興味がある。

彼らになれたら幸せだろうなと思った。

でも、私は彼らと一緒に過ごすのが幸せだから、やっぱり私は私のままがいいなと思った。

 

疲れているし、絶望しがちだし、思い通りにならないことばかりだけれど、

でも、私はこの私でいたいのだと、気づいてしまった。

そして、それはこの上ない幸せだと思えた。

私は、もしもこの仕事に耐えられなければすぐにでも辞めるし、もしもこの土地に耐えられなければすぐにでも出て行くだろう。

どんな障害があってもどんなことと引き換えても、私は自分の生きたいように生きようと思う。

この仕事を選び、この土地を選び、この部屋を選んでいるのは、私が望んでそうしている。

子どもたちの側にいられること、たくさんの学びと、そして経済的な安定と。

それらを得るためには、我慢しなければならないことも多々あるが、それは全て納得の上での選択だから。

これがおそらく、自由ということだ。

だから、私は大丈夫です。

幸せに過ごしています。

 

 

 

ただ、実際、先月の半ばから仕事はハードだ。

長期療養中の職員さんがおられて、しかも全員が必ず公休日数分を休まなければならないので、

いつも1人少ない状態でシフトを回している。

またその方がベテラン職員さんで、数々の重要な業務を担当していたので、

それらはベテラン職員さんたちが分担して、その分私には細かな雑用がどんどん回ってくる。

そんな中で、話を聴いてとか、勉強教えてとか、送迎してとか、子どもを預かってとか、

その時その時、最優先で対応すべきことが次々にやってくる。

だから職員みんなが疲れている。

でも、本当にこの職場は素敵だなと思うのだけど、みんなが疲れているからこそ、

みんながそれぞれに少しでも貢献しようと努めていて、率先して仕事をこなしたり、労ったり、体調を気遣いあったり、明るい雰囲気を作ろうとしている。

 

休んでいる職員さんのことも、みんなが気にかけている。

こんな職場だもの、心身に不調をきたして当然だ。

また一緒に仕事ができたら嬉しいけれど、今はただ、あの人が元気になればいいなと願う。

 

昨年に比べて、私はずいぶん余裕が出てきたと思う。

今日は大雨の中、2時間半も送迎に次ぐ送迎で車を走らせ続けていたし。

タフになったな。

 

私が宿題対応担当だから、と、学習室に来てくれた子たちがいた。

そのうちのひとりのNくんは、私が来るのを待ちかねてくれていて、

「ブラインド閉めたら行くよー」って言ったら、「じゃあ俺も手伝うよ」って言って、

長い廊下のブラインドを一緒に閉めてくれた。

1年前は自分の身の回りのことで精一杯だった彼が、こんなにこんなに生き生きとして、

学校にも行くようになって、同じく不登校気味な施設内の友だちを起こしてくれたり、休日に遊びに誘ったりしてくれるようになって、

本当に嬉しい。

それは、彼の性格だとか性質だとかが変わったわけではなくて、元々持っていた彼の良さが、

彼が勇気を持ったことで、貢献的に生かせるようになったということだと思う。

 

今日は英語のプリントのわからないところを質問してくれた。

前回一緒に英語をした時よりも、格段に理解が進んでいて驚いた。

あの日、「なんだ、数学と同じなんだな」ってつぶやいていた。

英語の文法の法則性を、見つけていた。

本当に賢い子だ。

今日のプリントの取り組み方で、その後、授業もしっかり聞いていたんだなってわかった。

 

英語は返答の時に文を省略するけど、ドイツ語はあまり省略しないんだよねと言ったら、

なんでドイツ語?って聞かれて、ドイツ語を勉強してるんだって私が一言話したことを、覚えていてくれた。

「日本人にはスペイン語が学びやすいらしいよ。スペイン語を学んでからだと、英語が楽に学べるんだってさ〜」と教えてくれた。

私の興味関心に興味を持ってくれたことが、とても嬉しかった。

そして、彼の世界が、どんどん広がっていることが感じられて、とても嬉しい。

 

 

今日の送迎は、妖精くん家族の通院送迎などだった。

あまりにすごい雨だったから、妖精くんはテンション高く、車内でたくさんしゃべってくれた。

お母さんとの連絡などをお願いしたら、快く引き受けてくれた。

少しずつ、お仕事を受け持ってくれるようになってきた。

他の職員さんたちも、最近妖精くんは雑談たくさんしてくれるようになったね、本当に成長したね、素晴らしいね、と言っている。

施設内の塾も続けられているし、学校も頑張ってなんとか行っている。

彼の変化が、私たちの喜びだ。

共に彼の変化を喜び合える仲間がいるということも、とても嬉しい。

 

彼らも、自分が自分であるということに幸せを感じられているだろうか。

君の大変な境遇は、君が選んだわけじゃない。

でも、この先の君の人生は、君自身が選んで、決めていけるんだよ。君は、自由なんだよ。

私は、彼らにそうやって伝えていけるかもしれない。

 

…やっぱり、私はここで仕事をすることが、好きかもしれない。