芳しの

金木犀の香りが漂ってきた。 香りの記憶は強い。 学校帰りの坂道を思い出す。 それから、2年前の子どもたちとの家の近所の生垣。 いつも私はぼうっとしながらひとりで歩いていた。 金木犀だねって母が教えてくれたもっともっと遠い昔は、 ふたりでどこを歩…

おばけなんてないさ

夜勤の仕事だった。 ゴミを集めたり事務室の掃除をしたり、施設内の消毒をしたり、 あとは金庫管理とか諸々の事務作業をしたり、 22時に消灯と施錠、それから深夜0時と朝の6時にも見回りをする。 0時の見回りは、緑の非常灯がぼんやり浮かび上がるだけの…

愛するということ

昨日は時間が飛んでいった。 血圧が高すぎて辛いと言う利用者さんの対応で。 うちの施設は看護師さんがいないので、服薬管理から病院との連絡や、生活の中の看護的なことも、必要があれば職員が担うことになる。 話を伺いに訪室すると、とてもしんどそうに横…

手を振った

昨日と今日は早番で、7時からの勤務と6時からの勤務だった。 陽が登るのがだんだんと遅くなってきた。 冬に向かっている。 しかし早朝の澄んだ空気は好きだ。 早番は、子どもたちを起こして回るという業務が忙しい。 みんな、起きようと思っているから、職員…

打ち寄せる波

先日は半年ぶりぐらいにコーラスサークルの舞台に立つことができた。 幼稚園のお誕生会。園児たちと保護者の前で歌った。 素人芸が嫌いと言いながら、きっちりと素人の舞台を踏んでいる私。 でも、舞台に出る勇気と緊張は、プロもアマチュアも変わらないよと…

灯台守

今日は絶対的休日。 昨晩から子どもたちが泊まりに来ている。 毎食毎食の食事の準備をするのが面倒だけれどありがたい仕事だと思う。 ひとりだったら2、3日そればかり食べて過ごしてしまえる量が、気持ちの良いほどきれいになくなる。 たくさん食べて、た…

好きなものが増えていく。 私が自分を閉じ込めているだけで、私が飛び出す勇気を持てば世界はもっと拡がる。 ある日駅前でジャズコンサートをしている横を通り過ぎた。 気持ちの良いフレーズを繰り返し続ける。言葉はいらない。 こんな快楽を、私は知ってい…

意味はなくとも

疲れているのに、夜更かしをしたい気分。 嬉しかったことは、おやすみなさいを言ったら会釈で返してくれていたあの利用者さんが、初めておやすみなさいと言ってくれたこと。 そんな小さな変化が、私にとっては大切だ。 昨日と今日だけで、Sちゃんとのパセー…

黄金色の昼下がり

休みの次の日の仕事は、いつもより少し楽しい。 帰ってきたなあ、と思う。 私はどうなってしまっているんだろうか。 子どもたちや利用者さんたちとおしゃべりしたり、御用聞きをしたりお手伝いしたりするのが、楽しいと思えてしまう。 同じ釜の飯を食うとい…

手段と目的

何かが動き出す時はいつも並行して速度を増していく。 このまま何かが始まっていくだろうという予感がある。 またその波をつかまえたところだ。 今日は絶対的休日。 今日は充電をする日。 ダメ元で声をかけた友だちとお茶をして、色んな話をした。 それから…

先日は子どもたちを連れて、百貨店で開かれた落語会に行った。 夏休みの宿題の追い込み中の次男に「落語会があるんだけど、行く?」と尋ねると、 「俺本気出すから、絶対お母さん家にいる間に宿題終わらせるから、行く!」と鼻息荒く答えた。 長男も、行きた…

悲劇か喜劇か

オンライン勉強会でよく職場の話をさせてもらう。 しかし多分に私は自分の不出来さを隠蔽しているのだろう。 できる手立ての全てを注ぎ込んでは、いない。 今はここまでだと諦めることが、今日もあった。 暗い目をしているあの子のことではない。 私があの子…

夜を越えて

数日の連休があって、また子どもたちとのんびり過ごすことができた。 エピソード分析の復習会もできて、子どもたちの友だちも遊びに来てもらえた。 子どもたちは友だちと外食もできたし、博物館にも行った。 夏休みの子連れ生活を満喫した。 外食したレスト…

湿っぽい夏夜

お盆になったので、利用者さんが少なくなった。 ルーティンワークが少なくなるので、時間が経つのがゆっくりになる。 緩急が激しいところだ。 秋になれば、小さい子たちの夜間預かり業務が入るので、多分目を回していると思う。 暇ができるのは今のうちだ。 …

鈍らせない

今日は絶対的休日。 まったくまったく珍しいことに、誰とも会わず話もせずに、1日引きこもっていた。 昨年度はこんな日が多かったのに。 今の生活は想像もできなかった。 不思議すぎる。 ちなみに私がいつまでこの生活を続けるかは、私次第である。 1年後…

風雪の中の友

雪のことを思い出した。 アスファルトの暗い色が全て真っ白に変わる夜。 仕方ないなとため息をつきながら、頬を刺す冷たい風は、なぜか好きだったりする。 この土地の冬が、少しだけ、私の一部になっている気がした。 仕事帰りの蒸し暑い夜道を歩いていると…

ただ側にいて

今週は3日連続でオンライン勉強会だった。 アドラー心理学というコンテクストを共有している仲間たちがいるから、 違うコンテクストでも私は必要とされる役を演じることができるのだと思う。 私がかのようにを採用しているから、アドラー心理学と全く違う前…

なつやすみのペンギン

7月の末は仕事が忙しく、氷ノ山への合宿行事にも参加して、バタバタの毎日が過ぎていった。 8月の頭から昨日の夜勤までは連休をもらって、家族との夏休みを過ごした。 母が数日泊まりに来てくれた。子どもたちと一緒の賑やかな生活だった。 それとは別に、父…

ホルン

比較的過ごしやすい気候の日が続いている。 あまり緊張せずに仕事ができるようになってきた。 施設の人たち(利用者さんたちも職員さんたちも)の方も、私に緊張しなくなってこられた。 業務の中で私の好きなことは、利用者さんに湿布を貼ってあげることと、…

役立たずでいよう

夏休みが始まった。 今年は子どもたちが(今のところ)宿題にやる気がみなぎっていて、2人とも熱心に取り組んでいる。 仮面ライダーのオープニング曲集を聞きながら、各種仮面ライダーについて色々な説明をしてくれながら、よく勉強が進むもんだなあと思う。…

パラレルワールド

今日は本当に珍しく、危機的に落ち込むことがあった。 友だちにSOSを送った。 電話で話を聴いてもらった。 私の仮想的目標は絶対に絶対に達成することはできないと理解できて、 諦める決心がついた。 私の望んでいること、私の優越性の目標をよくわかってく…

期待値

バスに乗っている時だったか、歩いている時だったか、歌っている時だったか、 覚えていないけれど ああそうか私は人の期待というものに自分の基準を置いてきたんだ、と今日気づいた。 昨日のオンライン抄読会で、子どもの頃になりたかった職業の話をしたから…

お付きの者

今日はひどい湿度の中、自転車で子どもたちを連れて近くの山の中の公園まで行ってきた。 2時間半ほど公園で過ごした。 グラウンドでサッカーする少年たちを見守りながら、 私は女の子と2人でたわいないおしゃべりをした。 みんなで自転車では登れない坂道を…

静寂

昨日は智頭町にある石谷家住宅へ行った。 江戸時代から栄えた庄屋で、後に地主、山林経営で成功し、篤志家を輩出した石谷家の豪邸。 宿場町だった智頭町の、美しい町並みにある。 日本建築の美しさ、日本庭園の美しさを味わった。 欄間の彫刻も素晴らしかっ…

喜んで

今日は次々と任務が降ってくる日だった。 学校の送迎業務が3つ。そのうちひとつは、帰所した瞬間にUターンして急遽迎えに行くことになった。 会議で私の担当の子どもさんについての報告(モニタリング)。その後、報告文書の入力の仕方を先輩に教えてもらっ…

私にできること

今日は絶対的休日。 朝からコーラスの練習に出かけて、コーラスのお友だちたちとランチして、 それからまた別の友だちとお喋りをした。 夕方、ソファーで野田先生の論文を読んでいたら昼寝してしまっていた。 夜はベイトソンゼミ。 その後ベイトソンの本を読…

無意味な無意味な

アドラー心理学の特徴は、個人を社会の中に組み込まれた存在として扱うところだ。 (これはアドラー心理学の5つの基本前提のうちの一つで、社会統合論という。) アドラー心理学を知らない方も、このことを当たり前のように思われるかもしれないが、 一般に…

青空に響け

今日は快晴。職場でプール開きだった。 暑い最中、博物館の恐竜展に同行もしたし、濡れた子どもたちの世話もしたし、 もう夏休みが来たようだった。 ここのところ元気のない中学生のAちゃんが、今日は転校前の学校の仲良しの友だちと遊んでくる、と嬉しそう…

同じ冒険

今日は午前中コーラスの練習に行って、友だちとランチをして、 それから出勤して、22時までの勤務をこなした。 体力がついたなあと思う。 それから、仕事にも慣れてきたのだと思う。 運転業務も務められるようになった。 1年前の私は、こんな日々が来るこ…

落とし穴

今日は部屋の模様替えをした。 子どもたちが来ると日中はもうエアコンなしでは限界になってきたので、エアコンの掃除もした。 数ヶ月前から気になっていたソファーの凹みが、もう処分していいだろうと思えるようになり、 新しいソファーに買い換えることに決…