成長する螺旋

今日はカウンセリングと、ベイトソンのオンライン勉強会でした。

 

カウンセリングをしていて楽しいなと感じるのは、

クライアントさんの成長を感じるときです。

特に、クライアントさんご自身が、ご自分の成長に気づかれる瞬間です。

 

成長というのは今までのパターンから抜け出して新しいことをするときに起こるのだと思います。

それはとても勇気のいることですし、とても難しいことです。

だって、現場レベルからメタのレベルに上がらないと、そのパターンから抜けることはできませんからね。

成長は、時間という概念を使うと一番見えやすいものなのだろうというのが、今日のベイトソンの勉強会で学んだことです。

 

子どもの成長はとても見えやすいです。体も大きくなるし、言葉も上手になるし、知識も増えていくし。

でも大人だって、日々成長することができます。

私たちは一度しかない瞬間をなぞりながら生きているからです。

毎日の繰り返しは、繰り返すパターンや冗長性はあるけれど、決して同じ日が再現されるわけではありません。

 

自分の感情に焦点を合わせ、世界に自分がどう反応しているのか感じてみること。

自分の思考に焦点を合わせ、自分が何を考えているか考えてみること。

その上で、自分の行動には必ず複数の選択肢があると信じて、試しに体を動かしてみること。

これらの三つ組は、パセージでも確認することです。

これがアドラー心理学の実践の基本的な方法だと思います。

あまり他人のこと分析したりしないんですよね。

いつも、自分をどう動かすか、ということが主眼になります。

自分のことだけは変えることができるから。

そういう風に思って、何か今までと違うことをしてみようと踏み出した一歩を、

その小さな小さな一歩を、成長というのだと思います。

 

カウンセラーはクライアントさんの物語を一緒に読んでいるから、

その小さな一歩に気づくことができて、その尊さを感じることができます。

一歩が踏み出せたら、次の一歩、もう次の一歩と、きっと歩いていけるはずです。

成長していくクライアントさんは本当に美しいなあと思います。

そして、同じようだった毎日が少しずつ新しい意味を持っていくその過程をご一緒できることがとても嬉しいです。

しかも私たちは治療共同体の中に生きています。

この町の中で、お友だちうちで、自助グループで、公園や学校や様々なところで、

私とクライアントさんの重層的な関係が続いていきます。

 

「人生の意味の心理学」と言われるアドラー心理学によって、

私自身が人生に意味を見出すことができました。

そして、私も誰かに、ご自分の人生の意味を見出すきっかけを与えることができたならいいなと思います。

いつまでも成長し続けていける日々は、いつも新鮮で、輝いているのです。

螺旋のように美しいのです。