物語さえあれば

日中はオンライン勉強会がありました。

現代の問題の根底には啓蒙思想から始まる近代の問題があると思います。
この問題を思想的に乗り越えるために、
ベイトソンは世界の再魔術化ということを言い、
アドラーは共同体感覚ということを言い、
野田先生は真心を思い出すということをおっしゃったのだろうと思います。

 

学問の世界で生きる人の中にも、
芸術の世界で生きる人の中にも、
臨床の現場で生きる人の中にも、
それぞれに違う言葉を使いながら、
この無機質に要素還元されてしまった世界を統合しようとしている人たちがいると思います。

 

共通しているのは、物語を生きているということなのでは、と思い至りました。
子ども時代に良い物語を見聞きしていること、
大人になっても良い物語を覚えていて、信じて、生きていること。
それが、健康な人間らしさなのでしょう。
物語さえあれば、
暮らしも、時間も、人生の意味も、自分の手に取り戻せると思います。