冒険者たち

今日は野田先生の論文のオンライン勉強会だった。

もう私はいくつのグループでやっているのか、数えるのが面倒になった。

仲間がいることがとても心強く、共に学べることがとても嬉しい。


人数は2人から6〜7人。

オンラインで話し合うにはこれぐらいの人数が限度だと感じている。

2人の勉強会はたいへん濃厚に議論ができるが、議論が深まりすぎて内容が進みにくいというデメリットがある。

人数が多くなると、進行の具合を考えて発言しにくくなるというデメリットがある。

時間と進行の工夫、会の目的とその日の内容、レジュメなどの枠組みを作っておくことで、それぞれのデメリットはずいぶん小さくなると思う。

今の私の体験からは、4人はとてもよいバランスだと感じている。

議論が白熱し過ぎないし、時間や進行もストイックになり過ぎない。


私は、世界はバランスを保っていると信じている。

生態学も生物学もとても面白い。

様々な生物が共存して、全然好き勝手に動いているように見えて、もっと大きな視野で見てみると、遠い連鎖の先で相互に影響し合い、必要とし合っていることがわかる。

身体の中でも、まったく正反対の働きをもつホルモンたちが私の身体を維持するためにそれぞれに分泌されている。

福岡伸一さんは、こういうことを動的平衡という言葉で表した。

まったく世界は美しいと私は思う。


バランスに欠けているのはいつも意識の方だと思う。

無意識はいつもバランスを保つように働きかける。

私が現実に直面して衝撃を受けないように、過保護な母親のように、目を曇らせる。

目覚めるのは甘美な夢を捨てることだから、なるべくならば気づかずにいたいけれど、

私はアドラー心理学を学んでしまって、無意識は意識と対立しないと知ってしまった。

私の意識と無意識は共謀して私を思い込みの世界に閉じ込めようとする。

私が世界の理屈だと思い込んでいることは、所詮地べたを這う青虫の見えている世界についてだ。

他の視点からの世界があることなど私には思いもよらない。

だけどこの枠組みを破って外の世界へ踏み出せば、木の枝に上って、少し開けた世界も見えるだろう。

私は自分の思い込みの小ささに笑うだろう。



学ぶことは新しい世界への冒険だ。

私を小さな世界に閉じ込めようとする自己執着を手離し、自己欺瞞を暴き続けて、私はいつも新しい世界に目覚めていたい。

そしてこの私の冒険には、道連れがいる。

もう絶望するのはやめようと思う。