ベルカント

昨日はパセージ第7章、

今日は野田先生の論文のオンライン勉強会だった。

 

メンバーさんたちの成長がとても嬉しい。

それは、私が拙いリーダーだからこそ、メンバーさんたちが学べることも多いのかもしれないと

最近は思うようになった。

 

私は人前で素晴らしく上手に披露してみたいって思いがちな人間で、(トランペッターですから…)

でもそうやって気を張って格好をつけているとき、

上手くできたことはないように思う。

そうではなくて、自分の音が夕焼けの空や講堂の木の天井に広がって溶けて、

もっと広がっていくことをイメージできたときに、

私の身体と呼吸と楽器と空間とが一体となって、これ以外にないというバランスを保てたときに、

私はちゃんと音を鳴らせていたように思う。

 

私は人々の中で音を鳴らしている。

私は人々の音を聴きながら、私のパートを演奏している。

私が人々と呼吸を合わせて、その場で人々と一体となって、これ以外にないというバランスを保てたときに、

良い響きが生まれるのだろうと思う。

 

私はひとりで目立とうとしていたけれど、もうその自己執着は捨てることにした。

みんなで良い音楽を作っていくことが目的だ。

その目的があれば、私は自己執着を捨てることができる。

 

私の音は真っ直ぐで、どうしても耳に残る。だから拙さを隠せない。

地道な訓練は続けているけれど、私は名人にはなれないだろう。

それでも、真っ直ぐで伸びやかな音を響かせられるようになれたら、

ほんの少しだけ世界を良いものへ変えられるだろうと思う。