今日はパセージ第6章だった。
お久しぶりに再会した単発参加のメンバーさんともご一緒に、楽しい時間を過ごした。
私以外の方は初対面だったのだが、他のメンバーさんたちもすぐに打ち解けてくださった。
ロールプレイでは事例提供者であるいつものメンバーさんが、単発受講のメンバーさんを子どもさん役に選んでくださって、とても嬉しかった。
私たちはパセージという共通の価値観と、共通の言葉を持っている。
だから初めて出会う人たちどうしでも、思わぬところで同じ故郷の人と出会ったかのように心が通い合うのだろうと思う。
私のパセージはけっこう「あばき」系だということを感じた。
あばき療法とおおい療法については野田先生の補正項に書いてあった。
野田俊作の補正項
2016年8月2日「あばき療法」と「おおい療法」より引用
西丸四方先生がおおむかしに『精神医学入門』という本を書いておられて、学生時代に教科書代わりに使ったのだが、その中に「あばき療法」と「おおい療法」という面白い言葉で、心理療法の分類をしておられる。「あばき療法」というのは、精神的な問題点を自覚させる方向の治療法のことであり、「おおい療法」というのは、自己受容や他者受容を促進する方向の治療法のことだ。アドラー心理学は、伝統的には、「あばき療法」に属する。だから「あばき」の部分がないと、アドラー心理学とは言いがたいのだ。フロイトの心理学と違って、アドラー心理学は「あばき」の一方で、盛大に「おおい」の操作をするので、そちらの方がアドラー心理学の本質だと思われやすいのだが、ほんとうはそうではなくて、みずからのライフスタイルの問題点に気づく部分がないとアドラー心理学とは言えない。
私はけっこうな「あばき」系ではあるが、パセージの構造はたいへんに「おおい」系であるので、
安全な枠組みの中で、信頼関係のあるメンバーどうしで、ロールプレイという遊びをうまく使って、
正対的であっても、事例提供メンバーさんが負担なく受け止めて学んでいくことができるようになっている。
事例提供メンバーさんがとても大きな勇気を持って、ご自分のエピソードを見つめ、子どもさんのことを思い、パセージを実践しようとされたこと。
それから他のメンバーさんたちが事例提供メンバーさんを尊敬し、信頼し、率直に意見をお話してくださったことによって、
子どもさんにご自分の考えを伝えてみるという代替案をみんなで考え、ロールプレイしてみることができた。
みなさんが、この小さなひとつの場面を、
ひとつの親子の今までの歴史を感じながら、
よりよい物語になっていく過程を体験しながら、協力してくださって、
本当に素晴らしいなと思っていた。
相手役の子どもさんは中学卒業後の大きな子どもさんだったので、
開発者の野田先生がおっしゃるように、パセージの効果が出るまでには時間がかかるだろうなと思っていたのだけど、
メンバーさんの気合いと努力と勇気によって、大きな子どもさんとの間でも、こんな風によい関係が築いていけるのだと、毎回感動をしている。
残りあと2章になってしまった。
パセージが終わってしまうことが、なんだかまたとても寂しくなってきている。
でも、故郷を同じくする仲間がまた増えていくのだ。