今日はカウンセリングでした。
それから、また新たにお役目をいただいたので、夜はそのオンライン打ち合わせでした。
カウンセリングでは、
クライアントさんの頑張りが素晴らしくて、ほんとうに嬉しく思いました。
少し難しい宿題を出していたのですが、
次回まで続けてこの宿題をやってみますね、と微笑んでおっしゃいました。
その笑顔を見て、
私はもちろん、必要とされる限り寄り添って歩いていくけれども、
もうこの方は私がいなくても、
ご自分でこの森から抜け出すことができるって思えました。
相手役さんのために、ご自分の行動を変えようと決心されて、
そして実際に新しい行動をしてみて、
そしてそれを続けようとしておられるのです。
それがどれほど大きな勇気であるかと思います。
失敗をしても、その現場で挽回しようと努めておられて、
決して言い訳をせずに、次はどうすればいいかなと考えておられました。
自分の失敗を認められることも勇気がいります。
そのことを言い訳せずに語ることにも勇気がいります。
その一部始終を私にお話してくださったことがとても嬉しいのです。
カウンセリングを通してご自分のことを見つめ、相手役さんのことを見つめ、
そうしてたくさんのことに気づき、
相手役さんとより良い関係を作っていくために代替案を実践する。
一回一回のカウンセリングで学ばれたことが、蓄積されて、
今はもうカウンセリングの前とはまったく違う視点でものを考えておられる。
私の方が、クライアントさんの変化の大きさにびっくりしています。
これは、クライアントさんの真面目さと努力の賜物にほかなりません。
その成長の一歩一歩を見ることができて、とても嬉しいです。
エピソード分析はたいへん強力な援助の技法です。
たいへんコンパクトに整理されているので、
クライアントさんご自身が、ご自分でカウンセリングで何を行ったか、振り返ることができます。
そして、私的感覚をぶらさげて暮らせるので、
ご自分の冗長性に、現場で気づくこともできます。
そうすると立ち止まって、代替案を試してみることもできるのだと思います。
自分で理屈がわかって、自分を操縦しやすくなるので、
勇気があれば、きっとより良い行動を選べるはず。
カウンセラーの役割は、
新しい行動によるより良い協力的な暮らしのイメージを描いてもらうこと
が一番重要なのかなと思います。
私たちはいつも自分の「かのように」に縛られているから。
自分の色眼鏡を通してしか世界を見ることができないから。
だから、できる限り自分の良いところを、相手の良いところを、
できる限り良い意図を探して、そうである「かのように」信じてみる。
そうすれば私の感情は、変わります。
思考が変わってしまっているからです。そして感情は思考に付随するからです。
そうすると、世界はまったく様相を変えます。
世界自体は何も変わらないのに、
私の「かのように」の色眼鏡が世界を鮮やかにしてしまうのです。
これが、アドラー心理学の基本前提の仮想論(以前は認知論という名称でした)の考え方であると、私は理解しています。
人は結局色眼鏡を外すことができないのだから、
せめてより美しく見える色眼鏡をかけてみたいと、私は思います。
悲観的な色眼鏡も、そうである「かのように」世界を映します。
でもそんな「かのように」で生きていたいとは思いません。
人と人は共に手を携えて生きていく世界である「かのように」信じて、
私は、言葉という手段だけを使って
人々の世界を美しく変えていきたいと思います。
実際に悲しい出来事を避けることはできないけれど、
それはどうしようもないことだけれど、
出来事をどう受け止めるかは私に自由があります。
どんな色眼鏡を選ぶかは私に自由があります。