オルタナティブウェイ

今日はカウンセリングでした。

 

今日はエピソード分析が最後までできました。

前回からの続きだったので、何がなんでも今日は最後までできなければと思っていたので、

良かったです。

毎回、最後までできるべきなので、あんまり喜んでいてはいけないのですが。

でも、良かったです!

 

「最後までできる」とは、手順通りに最後まですべきことができたということを指してはいません。

クライアントさんの実践できそうな、共同体感覚に向かう代替案が出て、

ロールプレイをして、実践する勇気を持っていただいて、

尚且つ良いことを学んでもらえた、

ということを指しています。

アドラー心理学のカウンセリングとは、共同体感覚の育成だからです。

そうやって、少しずつ、自分の無意識的な行動を替えていくのです。

 

今日のクライアントさんは、とても素敵な代替案をぱっと見つけておられました。

相手役さんになってみてロールプレイをしてみると、いい感じだって感じてもらえて、

実践もできそうだし、勇気づけになっているみたい。

でもこれって、一体何が起こっているんですか??

って、びっくりしておられました。

とても協力的な構えになっておられたのです。

代替案を考える時点で、相手役さんに対する陰性感情がもうすっかり抜けてしまっていたことがひとつ。

それから、こうしてご一緒に学んでいくことで、暮らしの中でアドラー心理学の実践ができるようになってこられて、

より良い代替案を見つけられるようになっておられるんだと思います。

 

理論より、理屈より、大事なことは実践だと思います。

頭でわかることより、

体がどう動くか、何が言えるか、

つまり現場で何ができるか、ということだと思います。

相手役さんと協力して過ごしていきたいというクライアントさんの気持ちを、

今日、私はずっと感じていました。

 

本当は協力して、仲良く過ごしたくても、

自分の価値観がときどき、2人の関係をこじれさせるような働きをしてしまうことがあります。

そういうときに、もしもこんな風に言ってみたらっていう代替案を、

パセージでもカウンセリングでも、探してみます。

なるほど、言葉を替えたらいいんだって思いがちなんですが、

それはちょっと違うと思います。

言葉だけ、どれほど良さそうな代替案に替えてみてもだめで、

その言葉を発する前に、相手役に対する構えが協力的に変わっていることが必要です。

 

パセージでは、リーダーは構えを変える操作は、厳密にはしていないんですけどね。

でもパセージはグループ療法なので、メンバーさんたちの協力と感動によって、

知らぬ間に知らぬ間に、事例提供者さんの構えが協力的に変わっていくことが多いです。

グループダイナミクスというのは本当に不思議で、奥深いなあと思います。

仲間が話を聴いてくれて応援してくれるということが、大きな勇気づけになります。

パセージの場があたたかい勇気づけの場であるのはメンバーさんたちのおかげです、というのは、

誇張でもなんでもない、本当のことなんです。

 

カウンセリングの難しいところは、

そういう応援団としてのメンバーさんの役割を、

カウンセラー1人が担わなければいけないこともあると思います。

でも、あんまり応援団ばかりやっていると、

カウンセラーの口数が多くなってしまうし、時間が足りなくなってしまいます。

それにカウンセラーの役割は、

クライアントさんの思いに寄り添いながらも、

同時に、クライアントさんの思い込みや共同体感覚から離れていく仕組みを、

建設的に批判する必要もあります。

そういう二重見当識を保ちながら、

しかも同時に、目の前のクライアントさんとの、2人の物語を作っていくのです。

 

カウンセリング中のカウンセラーって、めっちゃ忙しいです。

しかも、クライアントさんのペースに合わせて、一緒に、歩いていくのです。

でも、クライアントさんも忙しいのです。

今まで無意識に考えたり行動したりしていたことを、

一体どんな目的があったんだろうって、考えさせられるのですから。

その上で、今まで考えたこともやったこともないような、新しい行動を考えさせられるのですから。

 

そういうたいへんな作業に、拙い私に、協力してくださって本当にありがたいです。

アドラー心理学って面白いですね、もっと学びたいですと

クライアントさんたちに言っていただけること、本当に嬉しいです。

クライアントさんたちの勇気に、いつも私が勇気をいただいています。

人と、こんなに深いところで関わることができるということ、

私がクライアントさんのより良い物語を作っていくお手伝いができるということ、

本当に、幸せに思います。

私がクライアントさんと美しい物語を作っていけるということを幸せに思います。