タイムリミット

今日はカウンセリングでした。

 

無駄なことはほとんどせず、必要なことだけを言って進めていけたと思うのだけれど、

今日も時間切れで、エピソード分析を最後まではできませんでした。

ただ、仮想的目標はしっかりと出すことができました。

自分がどんな理想像を持っていたのか、初めて考えてみられて、

ちょっと世界が広がったと言っていただけたことはとても嬉しかったです。

 

特に初めての方にとっては、エピソードを語るということが、

慣れるまで少し難しいことかもしれません。

でもクライアントさんが物語を丁寧に語ってくださったので、

私も一緒にその物語をよむことができたように思います。

 

語られていないことが実は重要らしい、と最近気づきました。

気になった相手のセリフの前に、

物語の展開のキーになるセリフが隠されていることが多いように思います。

そのセリフは、とてもさりげなくて、あまり内容を持っていないようにも見えるのだけれど、

クライアントさんにとっては深い意味を持つ言葉だったりするようです。

特に、冗長性のあるエピソードの場合は、その一言の存在が見過ごされやすく、

そしてその一言の持つ意味が大きいように感じます。

で、そういう相手役さんのセリフを見つけ出すのが、

物語をよまなければできないことで、そしてけっこう時間がかかるのでした。

なんとか1時間以内でエピソードを読み取り、エピソード分析を最後までしたいです。

(最近でも、できたこともあるんですけどね。)

こうしてカウンセリングを続けていくうちに、

クライアントさんが語ることに慣れて来られるので、

そのうちきっとできるようになると思います。

 

私が今していることは、一緒に物語をよむということで、

これは、時間内にエピソード分析を終わらせるということよりも、

秤にかければ大切にすべきことだと思います。

 

 

以前、初めてカウンセリングをしたクライアントさんとのことです。

カウンセリングの勉強会として、設定していました。

アドラーのカウンセリングを学びたいという方がおられたので、

都合が合えば一緒に勉強をしましょうということで、

自助グループと同じ2時間半にしていたのでした。

結局いつも、私とクライアントさんの2人だったので、

クライアントさんには大変負担をかけてしまっていたと思います。

大きな反省点です。

でもずっとカウンセリングをしていたわけではなくて、

そのクライアントさんはアドラー心理学もパセージもご存知でなかったので、

最初に30分ほどパセージテキストの関連する部分を読み合わせしたり、

野田先生の作られた「勇気づけの歌」を読み合わせしたりしていました。

それから、どのエピソードを扱うかを決めるまで、

たくさんお話しされる方だったので、たくさんお聴きして、

結局エピソード分析を始めるまでに1時間半ぐらいかかって、

エピソード分析自体は1時間ぐらいかかってしていました。

宿題を出すことはしていませんでした。

 

7月からカウンセリングルームの準備ができて、新装開店して始めるにあたって、

カウンセリングの枠組みをきちんと設定してやるべきだと思い、

厳密に契約内容を決めました。

そのうちのひとつが、時間設定です。

 

はじめ、私は1時間半に設定しようとしていました。

すると先輩から、カウンセリングは50分から60分が推奨時間なのだから、

その時間内で上手にできるようになるべきだと助言をいただきました。

時間が長くなればなるほど、クライアントさんの負担が増えるのだから、と。

まったくもってその通りだと思い、反省しました。

でも、60分でエピソード分析をし終える自信がないんですが…と言うと、

50分のつもりで60分でしなさいなと言われました。

はい。

私の不安を解消するために時間を設定してはいけないと思いました。

私はプロとして、最小限の負担で、クライアントさんによりよく学んでもらえるよう、

最善を尽くして援助する必要があるのです。

それで、覚悟を決めて1時間という時間に設定しました。

 

 

パセージも、1章が2時間半という時間設定があります。

この時間内で終わらせることが、たいへんに難しいことです。

メンバーさんと目標の一致を取りながら、10分や15分超過してしまうことが私はけっこうあります。

また、あと1ページを次回に残して、その章の内容を全部できないまま終わらせることもあります。

色々なパセージリーダーさんたちに聞くと、みなさんそうやって調整しながらされているとのことなので、

タイムキープを目指して、でもできないときは臨機応変に進めています。

これも場数しかないと思って、2時間半でできるように修行中です。

ただ、時間内にできることが必ずしも一番大事なことでもないですよと、

サブリーダー研修のときに優子先生に言っていただきました。

メンバーさんたちがよりよく学べるように援助できたかどうか。

それが一番大事なことだと思います。

 

 

パセージを2時間半でするのが難しいからといって、

3時間の時間設定でするのはやっぱり違うと思います。

それと同じで、やはりカウンセリングは1時間以内というのが、

どこの学派でも共通の常識なので、

1時間で設定すべきなのだと思います。

 

そうは言っても、最近のカウンセリングで10分超過したこともあります。

70分かかってしまったのです。

だけど、それはやはり必要な時間だったと思います。

エピソード分析が途中まで進んでしまっていたり、

カウンセリングの目標を一致させるために話し合う必要があったり、

あのときの私の力量では、その10分の時間が必要でした。

大いに反省しています。

だけど、10分の超過で終わらせることができました。

始めに私が設定しようとしていた1時間半より、20分短い時間で終わらせることができました。

もしも私が1時間半で設定していれば、

おそらく私はさらに10分、15分と超過することがあったでしょう。

それはクライアントさんにたいへんな負担をかけてしまうことになります。

 

 

時間内で、良いことを学んでもらって、できる限りの援助をする。

それが良いパフォーマンスです。

とっても難しいです。

でも、時間をかけたからといってより良い援助ができるとも思えません。

いつも時間と戦っています。

こうして好きなだけ時間を使って、好きなだけ手を加え続けられる、

物を書くことは私にとっては理想的です。

場数を踏むしかないのかな。

時間内に、よりクライアントさんのお役に立てるように、

早く成長したいです。