今日はプチパセージでした。初めての方に来ていただきました。
実は今日集まった私たち3人は、
あるひとりの共通のお知り合いに繋いでもらったのでした。
全国にアドラー心理学やパセージを学ぶ自助グループがあります。
自助グループのお世話役さんやリーダーさんは、
たいていみなさん地元から遠征して野田先生や優子先生のアドラー心理学の講座を受けられて、
そこで同じように地元でアドラー心理学を学べる場を作ろうという志を持っておられる方々と出会って、
そうやって人と人との繋がりができていきます。
私にもそういう仲間がたくさんいて、オンライン勉強会はそういう仲間と一緒にやっているのです。
それで、ときどきお互いの自助グループに行ったり来たりして、各地の自助グループの中にもお仲間ができていきます。
地元の自助グループで学習していたけれど、転勤などで引っ越すことになった場合、
紹介してもらった引っ越し先の自助グループで学び続けているという人もいらっしゃいます。
自助グループどうしの繋がりというのが、アドラー心理学を学ぶ人たちにとってとても大切なことで、
私はそのことをとてもいいなあと思っています。
この自助グループの繋がりの中に入らずに、
実際のアドラー心理学を学ぶことはできないのではないかと思います。
学校の先生方や心理職の方、支援職の方は、
それぞれの職種で勉強会や研修会などを熱心にされている方も多いようで、
最近はそういう勉強会で、アドラー心理学をベースにして勉強されることも多いようです。
そういう風に、現場での実践に役立てるようにアドラー心理学が学ばれているということは、
きっと良いことなんだろうと、私は思えるようになりました。
アドラー心理学の技法は有効ですから。
(もっとも、現代アドラー心理学の技法は、認知行動療法など、様々なところから輸入した技法もたくさん含まれています。)
きっと多くの現場で、援助する側の方にも、援助される側の方にも、お役に立てるでしょう。
でも、そこで学ばれているアドラー心理学は、あくまで技法についてであって、
思想についてはノータッチだろうと思います。
つまり、有効であれば、アドラー心理学でなくてもいいのだろうと思います。
パセージについても同じことが言えて、
子育てを学びたいお母さんたちというのは、多くの場合は、
上手に子どもを扱えるようになりたくてパセージに来られたりするわけです。
そこで子どもが適切な行動をするように、より上手なやり方でもっていく、という技法を学ぼうとするわけです。
それまで叱ったり、ごほうびでつったりして、
親の思う方向に動かそうとしていたやり方を、
パセージを学んで、
子どもの適切なところに注目をして、共に子どもの成長を喜んで、
勇気づけることによって、親の思う方向に動かそうとするようになったとしたら、
それは、その子どもさんにとって、そのお母さんにとって、その家族にとって、
確かにより良いことだろうと思います。
それはそうだと思います。
ですが、私は、アドレリアンとして、それを目標にはしたくありません。
結局それって、より上手な、より巧妙な支配の仕方を手に入れただけだと思うからです。
親の思う方向に動かせるのは、親の人生だけです。
子どもは子どもの人生を生きていくのです。
だから、子どもが自分で自分の人生を生きていけるように、
子どもが自立して、社会と調和して生きていけるように、
子どもが責任を持って、世のため人のため貢献して生きていけるように、
適切な行動を学び、選んでいけるように、勇気づけて育てたいと思います。
そのためには、親は、支配するという考え方から抜け出して、
この子に何を学んでもらうべきなのか、そのために私には何ができるだろうかと、
考えることが必要になります。
そうやって、目先のことじゃなくて、遠い未来までの時間軸の中で子育てを考えるようになると、
私は、この子たちと一緒に過ごせる時間の短さを思いました。
限られた時間を、より良く過ごすために、
できるだけのことをしたいなと思うようになりました。
そうすると、感情を落ち着けることも、少しずつできるようになってきたかなと思います。
アドラー心理学の思想を、私は一番大事にしたいと思っています。
その思想があって、その上に理論と技法が乗っかっていると思うからです。
現場では、即効性を求めて、有効であるとされる技法が採用されて、
それはそういうものだろうと思いますが、
そういう勉強熱心な方たちが、どこかで自助グループにつながって、
アドラー心理学の思想に共鳴して、そのベースに乗っかった実践をしてくださったらいいなあと思います。
そして、本物のアドラー心理学に興味を持たれて、
私たちとご一緒に、思想も理論も含めた深いところまで学べるような人が増えたらいいなあと思います。
そういう良い循環の端っこに、今、私は組み込まれたかな、と思えたプチパセージでした。
私たちをつないでくださったMさんに、そのご縁に、心から感謝しています。
私もようやく、この地に根をおろして、この地で誰かのお役に立てるようになってきたのだなと、本当に嬉しく思います。